■不動産売却における媒介契約の種類とメリットデメリット
様々な事情により、相続した家や今住んでいる家を売ろうと考えたときに、
最初に不動産会社と交わさなくてはいけない契約が『媒介契約』です。
物件を売る流れとして、
まず売ろうと考えている物件がどのくらいで売れそうなのか、
各不動産会社に問い合わせをして物件の査定をしてもらいます。
※不動産売却の流れについてはこちらのページをご参照ください。
売却を検討している戸建・マンション・土地などを不動産業者に査定をしてもらい、
環境や物件状況、市場動向からおおよその価格設定、
そして具体的な広告戦略や販売手法などのプランを提示してもらい、
査定結果や販売戦略などが妥当だと思える会社と、媒介契約を結びます。
血縁関係のある親族間や友人間で売買をするケースもありますが、
少しでも有利な条件で売りたいと考えるのであれば媒介契約をして、
不動産会社に仲介を依頼した方が良いと言えるでしょう。
今回はその媒介契約の3つの種類の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
① 専属専任媒介契約の特徴
売主様が不動産会社を1社のみに仲介や売却活動をしてもらう契約形態です。
この契約を交わした後は、他社と契約を結んで仲介や売却活動を依頼することは出来ません。
万が一、他社と契約を交わすようなことがあれば、違約金が発生します。
専属専任媒介契約を結んだときに、不動産会社は2つの義務が発生します。
・1週間に1回以上、売主様に預かった物件の売却活動や販売状況の報告をする。
(広告の反響数、他の不動産会社からの問い合わせ数、案内したお客様の感触度合など)
・媒介契約の締結後、5日以内に預かった物件をレインズに登録する。
※レインズとは日本全国の不動産業者同士がつながっている情報ネットワークシステムのことです。
また、契約期間は3ヵ月後に延長をご希望される場合については契約更新することも可能です。
■メリット
・週に1度の売却活動や販売状況の報告が義務化されているため、
ご自身の物件の状況がどのようになっているか把握しやすい。
・売却活動を1社に限定するので物件が成約に至らなければ掛けた広告費分が赤字になってしまうため、
必死に販売をしてくれる
■デメリット
・売主様が自ら買い手の方を見つけることが出来ても個人間で直接の売買が出来ない。
(必ず専属専任媒介契約を結んだ会社を通さなくてはいけない)
・営業ノルマの厳しい会社の場合、特に物件の金額が小さいものだと自社のネットワークの中で、
買い手を探して売り手と買い手の双方からの手数料を取りたいと考えるため、
あまり広告費をかけてもらえない可能性がある。
② 専任媒介契約の特徴
専属専任媒介契約の特徴とほとんど同じ契約形態です。
異なる点としては、
・売主様が買い手を自ら見つけた場合については、不動産会社を介さず直接取引することが可能
・2週間に1回以上の売却活動、販売状況などの報告義務
・媒介契約の締結後、7日以内に預かった物件をレインズに登録する
この3点だけ異なります。
メリットやデメリットに関しては専属専任媒介契約と同様です。
③ 一般媒介契約
売主様が不動産会社を1社に特定せず、複数社に仲介や売却活動をしてもらう契約形態です。
この契約形態に関しては、不動産会社に発生する義務は一切ありません。
つまり、売却活動や販売状況の報告義務も発生しないため、
状況を知るためには売主様から都度不動産会社に連絡をする必要があります。
もちろんレインズの登録も売主様からの希望がない限り行われません。
契約期間は3ヵ月ですが、契約の有効期限はなく(行政指導となっている)、3ヵ月よりも短い可能性もあります。
■メリット
・様々な不動産会社と契約できるため、買い手を探す範囲が広がりやすい
・レインズ登録が義務ではないため、ご自身の物件を公開せずに売却することも可能
■デメリット
・レインズ登録が義務ではないので情報が広がりにくく買い手探しに時間がかかる可能性がある
・内覧希望者のスケジュール調整連絡や販売状況などの確認などを自ら行う必要がある
④ まとめ
今回は不動産売却の媒介契約の種類について解説させて頂きました。
弊社がこれまで多くの媒介契約に携わってきた経験からお伝えすると、
以下のような判断基準で契約形態を決める方が多いです。
・専属専任媒介契約・専任媒介契約に向いている方
⇒担当者との信頼関係が出来た方、早く売却をしたい方、売却出来ないときに不動産会社に買い取ってもらいたい方
・一般媒介契約に向いている方
⇒人気エリアの物件を所有している方、近所の人に売却していることを知られたくない方
当社ではこのような不動産売却における媒介契約に関することも
実際の現場で分かりやすくとことんご説明させて頂いておりますので、
札幌で不動産売却をお考えの方はぜひワンステップにお気軽にご相談下さい。