01 物件の状態から周辺環境、景気の変動など要因はさまざま
では、なぜ査定額が低くなってしまうのでしょうか。主な要因として、「不動産自体にマイナスの要因がある」「管理状態が悪い」「日照状況が変化した」「周辺環境が変化した」「景気が悪化した」などが考えられます。
まず、不動産自体にマイナスの要因がある場合というのは、例えば、建物の使用状況が悪く、経年劣化以上の傷みやキズがあるといったケースです。これらの内容は査定ではマイナスに評価されます。
管理状態が悪いというケースについては、マンションを例に挙げるとイメージがつきやすいかと思います。エントランスや廊下などの共用部の清掃が行き届いていなかったり、オートロックの故障が放置されていたりする点は、査定にプラスに働くことは考えにくいでしょう。こういったマイナス要因の根源は、同じマンションの人間関係が影響していることが少なくないので、日頃から管理組合などを通して円滑化を図っておく必要があります。
日照状況の変化については、数年前までは日当たり良好だった土地が、周辺にビルやマンションなどの高い建物が建つことによって日当たりが変化してしまったなどの場合で、これも査定に影響することがあります。
周辺環境の変化も日照状況と似たものがあり、周辺の治安が悪化したり、交通の便が悪くなったりすると査定にもマイナスに影響します。
最後に、外的な要因として一番大きなものを紹介します。それは景気の悪化です。景気が悪くなると不動産は売れにくくなり、少しでも売れる可能性を高めるために売出し中の不動産の多くは価格が下げられます。不動産の査定は過去の取引実績を参考にしているので、市場で取引される価格が下がってしまうと査定額も低く算出されてしまう事が多いようです。
02 外的要因が大きいが、将来改善される可能性もある
全体的に見ると、査定額には所有者が管理できる範囲よりも、手に負えない外的要因のほうが大きく影響するので、提示された金額に納得がいかない場合は、売却を先延ばしにすることも検討したほうがいいでしょう。外的要因は、景気の回復や、新たな都市計画、再開発計画などでプラスに働くこともあるので、低くなった査定額で納得して売却するか、先延ばしにするかケースバイケースで判断する必要があります。将来的な予測は専門家にとっても難しいことなので、あまり価格に縛られず、生活や家族の将来設計に重きを置いたほうがいいかもしれません。