01 基本的には売主と買主双方が納得して決まる
まず、不動産を売りたい場合に目安になるものと言えば、売却価格のほかに売出価格、査定額があります。一見、どれも同じように捉えられてしまいそうですが、実際にお金のやりとりがされないものもあれば、価格の決定権もそれぞれ異なります。具体的には、どのような意味で用いられるのでしょうか。
・査定額
売り出したい、または資産価値の程度を知りたい時などに不動産会社に依頼して査定してもらう概算価格のことを指します。査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の2種類の方法があります。簡易査定は、依頼を受けた不動産会社が過去の取引実績や物件名、所在地、面積、築年数といった机上で入手できるデータをもとに算出されます。もうひとつの訪問査定は、実際に不動産会社が現地に赴いて使用状況や敷地形状などを確認した上で算出されます。簡易査定であれば数日、訪問査定であれば1週間程度で査定額が算出されます
・売出価格
不動産を売り出す際に、所有者が自由に設定できる価格のことを売出価格といいます。買い手がつかない場合は変更することもできます。売出価格を決める際は、査定額に基づいて市場の相場の範囲内で、かつ不動産会社のアドバイスも参考にして決めることが一般的です。あまり高く設定したり、反対に低く設定し過ぎたりしてしまうと、疑念を持たれて買い手がつきにくくなりますので注意が必要です。
・売却価格
実際に不動産を売買する際に取引される価格のことを売却価格といいます。基本的に売主が決定できますが、購入する買い手側が納得しなければ成立しないので、実際には売主・買主双方の納得の上で決定されるといったほうがよいでしょう。この売却価格をもとに仲介手数料や税額も決定するので、売却の際に目にする価格のなかでは最も重要な価格と言えます。
02 価格の設定は市場の相場を参考に
愛着のある住宅を売却する際は、少しでも高く売りたいと考えるのは当然です。どのようにすれば少しでも高く売れるか。不動産には相場がありますので、それより何割も高く売ることは難しいですが、最終的な売却価格の参考になりますので、売出価格の設定とともに相場を確認することで、適正な価格での販売が行いやすくなります。